AIが発展するから勉強不要?|物理学科卒が思う6つのこと

雑談

最初に言っておきます

私は勉強ブログを書いている人間です
なのでこれから書くことは、ポジショントークです

それを踏まえた上で読んでください

最近、「AIが発展するから座学は不要になる」という話をよく見かけます
私はその考えに疑問を持っているので、一石を投じておきたいと思います

① AIの発展スピードが続くという前提に疑問

「AIが仕事を奪う」「頭脳労働はAIがやるから勉強は不要」という論調があります

いずれはそうなるかもしれません
でも、それは今の学生が座学を放り投げていい理由にはならないと思っています

そもそも、AIがこれまでのスピードで発展し続けるという前提自体が怪しいです

不安要素をいくつか挙げます

まず、電力と半導体の問題があります

AIが解答を返すには膨大な電力と半導体が必要です
世界の電力量にも半導体の生産量にも上限はあります
AIを使う人の増加スピードに、供給が追いつかない可能性があります

次に、今の「無料で使える」状態が続くかどうかの問題があります

YouTubeを思い出してください
最初は広告もなく、誰でも好きなだけ投稿・視聴ができていました

今はどうでしょうか
広告が乱発され、それを避けるには月額課金が必要になっています

AIも今は気軽に質問できますが、ユーザーだけが増えて収入が増えなければ経営は成り立ちません
今のように無料で快適に使える状態が、ずっと続くとは思えません

② AIを使うにも知識がいる

仮にAIがどこまでも発展したとして、それを使いこなせるかどうかは別の話です

AIを教授、ユーザーを学生に例えてみます

大学院までしっかり勉強を積み重ねた大学院生と、義務教育の内容もあやふやな高校1年生が、
同じ教授に最先端の技術について質問したとします

大学院生はどんどん話が進みます
前提の知識が共有されているので、教授も深い話ができます

一方、高1生は話の土台から毎回説明が必要になります
答えはもらえるかもしれませんが、理解する土台が無ければその場しのぎで終わります
次の質問につながらないし、新しい知識として積み上がらず先へ進めません

AIへの質問も同じです
知識がある人は的確な質問ができて、答えも深く受け取れます
知識がない人は何を聞けばいいかもわからず、答えが正しいかどうかも判断できません

AIを道具として使いこなすためにも、知識の土台は必要です

③ プロ棋士は廃業していない

AIが人間をはるかに超えてしまった分野があります
将棋と囲碁です

今やAIと人間が対局しても、人間に勝ち目はほぼありません
今後もその差が縮まることは難しいと言われています

では、棋士という職業は消えたでしょうか

消えていません
むしろ若手棋士はAIを積極的に活用して、研究をどんどん深めています

「将棋や囲碁は人間がやることに価値がある」という話は確かにあります
ただ私が注目しているのはそこではありません

AIに完全に負けているこの世界でも、棋士たちはAIを活用しながら研究を深めて共存しています
頭脳労働の最たる場所である大学でも、同じことが起きると思っています

④ 大学の研究室はどうなるか

私は物理学科の実験系研究室に所属していました
その経験から、物理学科はどう変わるかについても予想しておきます

物理学科の研究室は大きく分けて、理論系と実験系があります

実験系はひたすら実験をします
そもそも人手不足です

AIがどれだけ発展しても、実験するのは人間です
ある程度の知識を持った人手は、結局必要です

実験系の研究室は変わらず、理系知識を持った学生を必要とし続けると思っています

教授についても、私がいた頃は話し相手が同じ研究分野の教授と学生だけでした
そこに優秀な話し相手としてAIが加わるだけだと思っています

AIは発想のきっかけにはなるでしょうが、結局実験しなければならないので、
研究の主体はやはり人間の教授です

理論系はAIの影響が実験系より大きいかもしれません

ただそうなったとしても、理論系の定員を絞ってしまって、
残りは実験系に行ってもらう形に落ち着くんじゃないかと思っています

実験系は慢性的に人手不足なので…

企業も同じように変化するだけだと思っています

結局、ある程度の知識を持って実験や実務ができる人手は、
今後も必要とされ続けるんじゃないかというのが私の予想です

⑤ 大人の未来予想は当てにならない

メディアで「この先の世界はこうなる」と予想している人の話を見ていると、
だいたいこんな印象があります

5年後の予想を5個立てたとして、1個は当たる、3個は近からず遠からず、1個は見当違い

これはAIの予想に限らず、未来予想全般に言えることです

そもそもAIの発展についての予想は、「今のスピードが続く」という前提に立っています
その前提が崩れたとき、予想はすべて外れます

大事なのは、予想が外れても有識者は責任を取らないということです
「本当に信じちゃったの?自己責任でしょ」と言われて終わりです
(私でもそう言います ( ̄^ ̄) )

深く考えた上で「自分の人生に勉強は必要ない」と結論したなら、好きにすればいいとは思います

ただ、予想が外れてAIがそこまで発展しなかったとき、
勉強してこなかった人はただ周りと差がついただけで終わります

努力が無駄になることを願いながらも、逃げ足だけは残しておく立ち回りの方が無難です

⑥ 「もっと勉強しておけばよかった」はいつの時代も後悔の上位

複数の調査で、社会人に「人生で後悔していること」を聞くと、
「学生のころもっと勉強しておけばよかった」が上位に来ます

ある調査では後悔の総合1位、別の調査では社会人の65.8%が「もっと勉強しておけばよかった」と答えています

戦後を生きた世代も、高度経済成長を経験した世代も、バブル期を生きた世代も、
世代を問わずこの後悔は出てきます

「そう言っておけばまだやれるとアピールできる」という見方もあるようですが、
世代を超えて繰り返される後悔であることは変わりません

どうせ後悔するなら、やっておいた方が無難です

まとめ:今の努力が無駄になることを願いながら努力する

私の総評としては、「AIがどんどん発展する派」の考えと、
私の悲観的な考えの中間あたりに落ち着くのではないかと思っています

AIは間違いなく便利な道具です
私自身、英語の勉強にとても助かっています

ある程度自分で調べてから内容を整理してAIに確認してもらい、
それをもとに理解を深めていく

個人専用の24時間対応の家庭教師のような使い方ができます

ただ、その家庭教師を使いこなすにも、ある程度の土台は必要です

AIが発展して、今の努力が無駄になることを願いながら
でも、そうならなかったときのために、逃げ足は残しておく

それが今できる一番賢い立ち回りだと思っています

コメント

タイトルとURLをコピーしました