今回は現在完了形について書いていきます
現在完了形は日本語に対応する表現がないため、
日本人がつまずきやすい文法のひとつです
まずは全体のイメージをつかんでから、
3つの用法を順番に見ていきましょう
現在完了形とは
現在完了形は have + 過去分詞 という形で表します
この図が現在完了形の基本のイメージです
①②③の3つの要素で成り立っています
- ① 過去からずっと続いている状態・経過
- ② 過去のある一点で起きた出来事
- ③ 現在でちょうど完了した瞬間
現在完了形には継続・経験・完了結果の3つの用法がありますが、
これらは別々に存在しているわけではありません
3つの用法はすべてこの基本図が土台で、
①②③のどこに重きを置いて話しているかの違いにすぎません
継続用法 → ①「ずっと〜している状態」を強調
経験用法 → ②「過去の一点での出来事」を強調
完了・結果用法 → ③「ちょうど今終わった瞬間」を強調
順番に見ていきましょう
継続用法(①を強調)
イメージ図の①、つまり「過去から今まで続いている状態そのもの」に重きを置いた使い方です
例文
I’ve had this guitar for ten years.
このギターを持ってもう10年になります。
I’ve been smoke-free for six months.
禁煙を始めてから半年になりました。
10年前に買ったギターを今も使い続けている、
半年前から禁煙を始めて今も続いている
この「過去から今まで続いている状態」を表すのが継続用法です
今も続いているなら現在完了形、過去の思い出として話すなら過去形です
例えば禁煙に失敗して2か月前からまた吸っている場合はこうなります
I quit smoking, but I started again two months ago.
禁煙したけど、2か月前にまた吸い始めてしまいました。(今は続いていない)
経験用法(②を強調)
イメージ図の②、つまり「過去のある一点で起きた出来事」に重きを置いた使い方です
例文
I’ve been to America.
アメリカに行ったことがあります。
Have you ever lived alone?
一人暮らしをしたことはありますか?
ところで、経験用法と過去形は似ているように見えます
「アメリカに行ったことがある」と「アメリカに行った」は
日本語ではほぼ同じ意味に聞こえます
でも英語では使い分けがあります
この違いについては次の記事で詳しく書きます
完了・結果用法(③を強調)
イメージ図の③、つまり「ちょうど今終わった瞬間」に重きを置いた使い方です
例文
I’ve finally finished my summer homework.
夏休みの宿題がやっと終わりました。
I’ve already contacted them.
もう先方に連絡しちゃいましたよ。
前からやっていたことがちょうど今終わった
この「ちょうど今」という感覚が完了・結果用法の核心です
3用法のまとめ
3つの用法を整理します
- 継続用法(①) → 過去からずっと〜し続けている
- 経験用法(②) → 今までに〜したことがある
- 完了・結果用法(③) → ちょうど〜したところ・〜してしまった
どの用法も「過去の出来事が今につながっている」という現在完了形の基本イメージは同じです
①②③のどこに重きを置いているかで用法が変わるだけです
補足:副詞は後回しでいい
現在完了形を勉強すると、just・already・ever・never・for・since などの副詞がセットで出てきます
でも最初からこれらを一緒に覚えようとしなくていいと思っています
まずは副詞なしでどんどん現在完了形を使っていってください
慣れてきて「ちょうど終わったニュアンスを出したい」「ずっとという感じを強調したい」と自分で感じ始めたとき、初めてこれらの副詞を調べるくらいでちょうどいいです
覚えることを増やして嫌になるより、まず使えるようになることの方がずっと大事です
英訳問題
以下の会話を英訳してみましょう
場面:AはBに会いに東京へ遊びに来た
A:東京に来てからどのくらいになるの?
B:今年で2年になるかな
A:東京観光したいんだけど、どこかいいところ行ったことある?
B:浅草寺の提灯は凄かったよ
A:へーそうなんだ...
B:行ってみる?
A:行く!
(浅草寺にて)
A:おみくじやってみよう
B:えー、さっき100円使い切っちゃったよ
B:どこかに自販機ない?
A:そこの角にあったよ、見に行こう!
(自動販売機:vending machine)
参考:筆者の英訳
A: How long have you ever lived in Tokyo?
B: I have lived in Tokyo for two years.
A: I want to sightseen Tokyo. Have you ever been around here?
B: I went to Sensozi. Its cho-chin is so cool.
A: Oh. very nice.
B: Shall we go?
A: Yeah, Let’s go!
A: Let’s do omikuzi!
B: Oh, I have used 100yen coin.
B: Have you know vending machine around here?
A: I have seen it at the corner. Let’s go!
Claude に修正してもらいました
A: How long have you lived in Tokyo?
B: I have lived in Tokyo for two years.
A: I want to sightsee Tokyo. Have you been around here?
B: I went to Senso-ji. Its lanterns are so cool.
A: Oh, very nice.
B: Shall we go?
A: Yeah, let’s go!
A: Let’s do omikuji!
B: Oh, I have used a 100 yen coin.
B: Do you know a vending machine around here?
A: I have seen one at the corner. Let’s go!
主な修正ポイント
1行目のA:
“How long have you ever lived” の `ever` は不要です
`ever` は経験用法で使う単語で、継続用法の How long とは合いません
3行目のA:
“sightseen” は動詞の形が間違っています。”sightsee” が正しい形です
4行目のB:
“Sensozi” のスペルは “Senso-ji” です
“cho-chin” はローマ字なので “lanterns” に修正しました
10行目のB:
“100yen coin” は “a 100 yen coin” とaを追加しました
11行目のB:
“Have you know” は文法的に誤りです
`know` は状態動詞なので現在完了形には使えません
“Do you know” に修正しました
12行目のA:
“I have seen it” の “it” を “one” に修正しました
現在完了形よりも過去形の方が自然な場面です(模範解答参照)
原文を Claude が評価
現在完了形の用法の判断という観点では概ねできています
継続用法と完了用法の場所は正しく使えています
日本語のニュアンスをどの程度英語で表現できているかという観点での評価は
10点中5点です
`ever` の使いどころ、動詞の形、自然な語彙選びにいくつか改善点があります
現在完了形の用法の判断自体は概ねできているので、あとは英語表現の自然さを磨いていく段階です
模範解答(例)
A: How long have you lived in Tokyo?
B: I’ve lived here for two years now.
A: I want to do some sightseeing. Have you been anywhere good?
B: The lanterns at Senso-ji were amazing.
A: Oh, really...
B: Want to go?
A: Let’s go!
A: Let’s try omikuji!
B: Ugh, I’ve used up all my coins.
B: Is there a vending machine around here?
A: I saw one just around the corner. Let’s go check!
模範解答の解説
1行目のA:
“How long have you lived” で継続用法
東京に住み始めてから今も続いているので現在完了形が正解です
“I’ve lived here for two years now.” の “I’ve” は “I have” の短縮形で口語的な自然な表現です
3行目のA:
“I want to sightsee Tokyo.” は文法的には正しいですが、
“I want to do some sightseeing.” の方が口語的で自然です
“Have you been anywhere good?” で経験用法
“Have you been around here?” より「いいところある?」というニュアンスが出ます
4行目のB:
“Its lanterns are so cool.” は文法的には正しいですが、
過去形で話しているので “The lanterns were amazing.” の方が自然です
過去形と現在完了形の使い分けがここで出てきます
詳しくは次の記事で説明します
10行目のB:
“I have used a 100 yen coin.” は文法的には正しいですが、
「使い切った」というニュアンスを出すには “I’ve used up all my coins.” が自然です
“used up” で「使い切った」、”all my coins” で手持ちのコインが全部なくなった状態が伝わります
また “Ugh,” を冒頭に添えることで「えー」という残念な気持ちのニュアンスが出ます
11行目のB:
“Do you know a vending machine around here?” は文法的には正しいですが、
“Is there a vending machine around here?” の方が自然な言い回しです
12行目のA:
模範解答では “I saw one just around the corner.” と過去形にしています
「さっき見た→だから今から行こう」という流れは
現在への繋がりがあるように見えますが、英語では過去形の方が自然です
理由は2つあります
一つ目は “just around the corner”(すぐそこの角)のように
「いつ」が明確な場合は過去形が自然であるためです
現在完了形は「いつかは関係なく、経験や結果が今につながっている」という表現なので、
時間が具体的な場合は過去形の方が合います
二つ目は「今から行こう」という部分は “Let’s go check!” が担っているためです
根拠(過去形)と行動(Let’s)を分けて表現するのが英語では自然です
ただし “I’ve seen one just around the corner.” と現在完了形にしても大きな間違いではなく、
ネイティブによっては使う人もいます
どちらかというと過去形の方が自然、という程度の差です







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