数学が苦手な人の多くは、「自分は理解力がない」と思っています
でも、それは正確ではありません
問題を解く手順が分かっていても、途中計算を1か所でも間違えると、答えは完全に崩れます
そして、その「1か所のミス」は、理解力とは関係なく誰にでも起きます
では、なぜミスが起きるのか、どうすれば減らせるのか
この記事では、その原因を数字と図を使って順番に説明していきます
計算ミスだけで不正解になる理由
まず、連立方程式を1問解くときに、何回の計算が必要なのかを確認してみます
赤い下線が引かれている部分を数えながら見てください
赤い下線の部分が、四則演算をしているところです。全部で14か所あります
これは、連立方程式を1問解くために、約14回の計算が必要になるということです
計算の正確さで結果はどれくらい変わるのか
正答率が少し違うだけで、結果はどれくらい変わるのでしょうか
次の表で確認してみます
数字が多くて読みにくい場合は、下のグラフも参考にしてください
計算回数が増えるにつれて、正答率の違いによる差がどう広がるかが一目でわかります
例えば、四則演算の正答率が99.90%の人でも、14回続けて計算をすると、
すべて正しくできる確率は98.61%になります
一方、正答率が98.40%の人は、すべて正しく計算できる確率は79.79%です
これは、約5回に1回は途中計算を間違える可能性があるということです
一見小さな差に見えても、計算回数が増えると結果への影響は無視できなくなります
「分かっているのに間違える」正体
先ほどの表が示す通り、計算回数が増えるほどミスが起きる確率は上がります
そして連立方程式では、その計算が14回もあります
つまり、連立方程式が理解できていても、
計算ミスだけで不正解になることは普通に起きます
例えば、先ほどの連立方程式で、赤線の部分を間違えたとします
次の図で、答えがどう変わるかを確認してください
このような単純なミスでも、最終的な答えはすべて崩れてしまいます
なぜ1か所のミスが答え全体を崩すのか、その流れを整理すると次のようになります
しかも、問題が難しくなるほど途中計算の回数は増えていきます
そうなると、「理解しているのに正解できない」状態になりやすくなります
「やり方は分かるのに、なぜか間違える」と感じたことはないでしょうか
それは、理解ではなく、計算の正確さが原因かもしれません
まずはスピードより「正確さ」
では、どうすれば「計算ミスで不正解」を減らせるのでしょうか
答えはシンプルで、まず正確さを鍛えることです
数学は、途中で1回でもミスをすると、答えはすべて間違いになります
だからこそ、まずはスピードよりも、正確に計算する力を身につけることが大切です
一桁の四則演算を、ミスなく答えられるか。まずはそこから見直してみてください
練習の順番は、次の図の通りです

正確さの次はスピード
ここまで「正確さが大事」という話をしてきました
では、スピードは必要ないのかというと、そうではありません
結論としては、正確にできるようになった後は、スピードを上げることが重要です
なぜスピードが必要なのか
その理由を体験で確認してみましょう
次の動画を見ながら、頭の中で答えを出してみてください

おそらく、全問正解できたと思います
正解できた理由は、時間に余裕があったからではないでしょうか
頭の中で2回、3回と解き直すことで、
計算の精度を上げていたはずです
これは「ゆっくりなら正解できる状態」と言えます
目指すべきは「一発で正解できる状態」
しかし、実際の問題ではそうはいきません
連立方程式や文章題の途中計算で、
毎回2回も3回も計算を確認していたら、時間が足りなくなります
そのために必要なのがスピードです
次の図で、今の状態と目指す状態を比べてみましょう
スピードを上げると何が起きるか
速く計算できるようになると、次の変化が起きます
- 同じ時間で解ける問題数が増える → 経験値が増えて、解き方が定着する
- 授業中に問題を解き切れるようになる → その場で正誤が確認でき、理解のズレを修正できる
この積み重ねによって、「解ける → 分かる → 自信がつく」という流れが生まれます
結果として、数学への苦手意識も減っていきます
次のセクションで、具体的な練習の手順をまとめます
まとめ
この記事で伝えたかったことを、3点に整理します
- 計算は、まず正確さが最優先
- 正確にできるようになったら、次はスピード
- 目標は「1回で正しく答えること」
スピードは目的ではなく、正確さを安定させるための手段です
次にやること
足し算・引き算・掛け算・割り算がランダムに出題される、100問の練習動画を用意しました
まずは0.8秒/問のスピードの動画に挑戦してみてください
- 0.8秒動画に挑戦する(約3分)
解答が表示されるより先に答えを出すこと、満点を取ることが条件です
速いと感じたら、3.0秒・2.0秒・1.5秒のゆっくりな動画から始めてください - 0.8秒動画を5回、すべて満点にする
1回満点が取れたら、そのまま残りの4回も続けます
5回連続で満点になれば、この練習の目標は達成です
数学の苦手意識は、多くの場合「理解力の問題」ではありません
計算の土台を整えるだけで、解ける問題は確実に増えていきます







コメント