【第4章】分散学習をさらに効率化する再設計

本記事は「分散学習×漢字検証シリーズ」の第4章です。

再設計案を提示する前に

 ここまでの検証で、当初の設計は一定の成果を出しました。
最終的なテスト結果を見れば、学習方法としては十分に機能していたと言ってよいと思います。

 しかし、それでもなお一つだけ引っかかっている点があります。
それは「継続できたかどうか」と「最適だったかどうか」は別問題ではないか、という点です。

 完走はできました。
途中で投げ出さず、最後までやり切ることもできました。
ですが、あの最初の2週間の精神的負担をもう一度やるかと問われたら、正直なところ即答はできません。

 特に、新出50字という分量は、想定以上に心理的な圧力を伴っていました。
物理的な学習時間の問題というより、「今日も50字か」という感覚そのものが負担になっていた部分があります。

 結果的に続けられたとはいえ、
「もう少し穏やかな入り方はなかったのか」
「継続の確率をさらに高める設計はあり得なかったのか」
そうした問いは、検証を終えた今でも残っています。

 また、5回目の復習についても同様です。
効果がなかったとは言いません。
しかし、全体の学習期間を長期化させる大きな要因になっていたことも事実です。
本当に全漢字に対して同じ重さで5回目を行う必要があったのかは、再考の余地があると感じました。

 そこで本章では、
「実際にやった設計」ではなく、
「もし今からもう一度やるならどう組み直すか」という視点で再設計案を提示していきます。

 あくまで個人検証の延長としての仮説です。
実際にこの設計で学習したわけではありません。

ただし、これまでの169日間のデータと体感を踏まえたうえでの修正案です。

以下に、その具体案を示します。

再設計案

新しいセット構成

 今回の検証では、1セット50字を基本単位として進めました。しかし第3章で述べた通り、最初の2週間の心理的負担は想定を大きく上回るものでした。特に「新出50字」という数字そのものが、実際の作業量以上に圧力として作用していたと感じています。

その反省を踏まえ、再設計案ではセットあたりの字数を段階的に増やす方式を採用します。

  • 1~8セット目  30字

  • 9~16セット目  40字

  • 17~24セット目 50字

  • 25~28セット目 55字

  • 29~43セット目 60字

  • 44セット目   53字

合計 2133字

序盤は30字から開始し、学習に慣れるにつれて徐々に負荷を上げていく設計です。
最初から50字を課すのではなく、「まずは始められる量」に調整することを優先します。

 第3章で確認した通り、学習効率は後半になるほど向上していました。既習漢字との関連付けが可能になり、構造的に覚えられるようになるためです。したがって、後半で字数を増やしても処理能力的には対応可能であると推測できます。

5周目の廃止と確認日の設定

 今回の検証では、1か月後の5回目学習を固定で実施しました。確かに効果はありましたが、学習期間が長期化する大きな要因にもなっていました。また、明らかに定着している漢字にも同等の時間を割くことは、効率面で疑問が残ります。

 そこで再設計案では、5周目の学習を原則として行いません。
その代わりに、月に1度、4回目の学習が完了したセットの中から「間違えた漢字のみ」をざっと確認する日を1日設けます。

 すべてを均等に復習するのではなく、曖昧だったものだけに触れる設計です。

 今回の検証では、4回目終了時点で大半の漢字は安定していました。5回目でも状態はほぼ変わらず、曖昧な漢字が数個浮き上がる程度でした。この実感を踏まえると、「全漢字を5回固定で回す」よりも、「不安定な漢字を選別して確認する」方が合理的である可能性があります。

 ただし、これは効率を優先した再設計です。安全側に振るなら、5回目を残す方が確実でしょう。

再設計の狙いと前提

 今回の再設計の主目的は二つです。

  1. 最初の3週間の負荷軽減

  2. 3か月目以降の余力を活用した回収

 最初の2週間の精神的負担は極端に重く、新出50字という設定は想定以上に心理的圧力が強いものでした。ここで離脱する可能性は十分にあったと考えています。

 一方で、3か月目以降は学習効率が上がり、心理的にも安定していました。この後半の余力を使って前半分を回収する設計に変えることで、継続性と効率の両立を狙います。

 この設計であればセット数は増えますが、学習期間は最終日のテストを含めて109日で完了します。序盤の負荷を軽減しつつ、全体期間も圧縮できる可能性があります。

 ただし、この設計で実際に学習したわけではありません。
理論的には妥当でも、実行した場合に別の問題が発生する可能性もあります。序盤が軽すぎて逆に緊張感を欠くことや、後半の増量が思った以上に重く感じることも考えられます。

 したがって本再設計案は、「最適解の提示」ではありません。
今回の検証を踏まえた、ひとつの改善仮説です。

 もしもう一度ゼロからやるなら、この設計を試しますが、
それがより優れているかどうかはまだわかりません。

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