【第2章】分散学習を漢字で実践する具体的設計

本記事は「分散学習×漢字検証シリーズ」の第2章です。

学習時間および全体設計

 1日の学習時間は原則として60分以内としました。
継続可能性を最優先条件として、学習強度よりも持続性を重視した設計にしました。

 分散回数は1漢字につき5回とし、
学習間隔を以下の通りに設定します。

  • 第1回:初回学習

  • 第2回:第1回から約1時間後

  • 第3回:翌日

  • 第4回:第3回から7日後

  • 第5回:第4回から30日後

 初回学習の負荷が最大になると思われたので、初回学習日は他セットの学習と重複させないこととしました。つまり各セットの初回学習日は新しい漢字を覚えることのみに集中して取り組めるようにしました。

 また、1日あたりの学習重複は最大2セットまでとしました。
これにより学習時間の上限超過を防止しています。

 それらの条件によって学習が発生しない日ができたので、
その日は誤答漢字の総復習日としていました。

出題形式

 1つの漢字につき1つの熟語を設定し、全5回同一の熟語を出題しました。

 各回で異なる熟語を使用する設計も検討しましたが、今回の検証では「分散学習による記憶定着」を検証することが目的なので、出題する漢字は固定することにしました。

 また、漢字を覚えることが目的であって、漢字を順番通りに覚えることは目的ではありません。
そのため、各回の漢字を出題する順番は毎回ランダムで出題することとしました。

 熟語の意味暗記は原則として必須としませんでした。
ただし、初見語に関しては理解補助として意味を併記しました。

 同音異義語が存在する場合は、熟語単体ではなく使用例形式で提示し、文脈による判別が可能な形で出題しました。

1回の学習内における反復規則

 1回の学習で当該回に割り当てられた漢字50個をすべて書き取り形式で解答することを「1周」と定義します。

 各回の学習では、この1周を最大3回まで実施します。

 1周終了時点で誤答が1つも無ければ、その時点で当該回の学習は終了です。
一方で誤答が1つでも存在した場合は、後述の「誤答時の処理方法」で誤答漢字の復習を行います。

 復習が完了したら2周目を行います。
その際、誤答漢字のみを個別に解答するのではなく、再度最初から当該回の全漢字を通して解答していきます。

 これは誤答漢字だけで覚えるのではなく、実際の問題の中でしっかり誤答漢字が書けるようになっているかを確認することを目的としているためです。

 1回の学習において、4周目以降は実施しないものとしました。
理由は主に以下の2点によるものです。

  1. 1周目から正答している漢字を4回以上解答することは非効率的である
  2. 学習の終わりを明確にすることで、勉強に対する心理的負担の軽減が期待できる

そのため、3周終了時点で満点が取れなかった場合でも、その回の学習は終了します。

誤答時の処理方法

 誤答漢字に対しては、単純な書き取り反復は行いません。

以下の手順で復習します。

  1. 正解を確認する

  2. 何も見ずに思い出して書く

  3. 書けない場合は再度確認する

  4. 再度思い出して書く

正解できるまで上記を繰り返します。

 この方法は「アクティブリコール」という勉強法で、
書けるようになるまで何度も思い出すことに重きを置いた勉強法です。

 そのため、誤答漢字毎に書き取り回数は変わり、
1回で終わることもあれば10回近く書くこともあります。
回数の基準は特に設けず、覚えられたと思うまで好きなだけ書き取りを行います。

まとめ

 以下の制約を設けることで、分散学習における継続可能性と再現性の両立を図りました。

・1日の学習時間は60分以内
・初回学習の重複回避
・1日の学習重複は最大2セットまで
・1回の学習は最大3周まで
・満点未達でも終了する

第2章では、本試みにおける学習設計と運用ルールを整理してきました。
第3章では、第2章で示した設計に基づく実践結果を検証していきます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました